その後、ベトナム戦争では米海軍空母がトンキン湾に常駐し航空作戦を繰り広げたが、空母にまつわる問題は依然として残っていた。敵の航空機からの攻撃に脆弱な点だ。
非力なベトナム空軍だからこそ空母部隊は展開できたが、冷戦のライバル、ソ連空軍は脅威だった。そこで敵攻撃機を排除するための艦上戦闘機「F-14トムキャット」が開発される。長距離誘導ミサイル6発を積載し、24の目標を同時追尾、うち6目標を同時攻撃できた。この艦隊防空をさらに進め、初めて空母の“安全”を確保したのがイージス艦だ。
イージス艦の最大探知距離は500キロメートル。200個以上の目標を同時追尾し、常時発射できる対空ミサイルを100発近く備える。“対空専門”の艦船で空母を守るのだ。海上自衛隊では弾道ミサイル防衛などのためにイージス艦6隻を配備しているが、米海軍の保有数は桁違いの84隻に達している。