北朝鮮の朝鮮労働党創建70周年を祝う2015年10月の軍事パレード映像を再点検し「秘密兵器」を探した。ふざけ半分で疑ったのがT-34戦車。朝鮮戦争(1950~53年休戦)緒戦で米韓軍に犠牲を強いた手ごわい戦車であった。当時の軍装をまとった将兵も行進し時代絵巻を演出したが、T-34は今なお“実戦兵器”である。予備役用の300両待機には驚かされる。一応疑ったのはほかでもない。北の金正恩(キムジョンウン)第1書記は9日、国営メディアを通し「核弾頭の小型化成功」を強調した。ウソであろうが、少なくとも開発進捗は確か。原爆技術を持つ“軍事先進国”が、米韓軍の最新兵器の餌食と成る「鉄の棺桶」、北崩壊後はマニアが収集に殺到する「動く骨董品」と揶揄される通常兵器を運用するキテレツな図式ではあるが、デジタル化など改良・延命措置を施した可能性はゼロではない。実際、米空軍のB-52戦略爆撃機は、運用開始以来60年以上現役。北朝鮮の4回目の核実験を受けた1月10日には、韓国上空を威嚇飛行した。