社長を目指す方程式

経営者はなぜストレスに強いのか 上に立つ人は景色の見方が違う (1/2ページ)

井上和幸
井上和幸

 《今回の社長を目指す法則・方程式:アルバート・エリス「ABC理論」》

 こんにちは、経営者JPの井上です。上司の皆さんは日々の業務の中で何かとストレスを感じながら、「やってられないよ」と心の中で泣いたり激怒したりしつつ、外面的にはなんとか笑顔を作って「大丈夫、大丈夫」と部下に言っていたりするものです(その笑顔が引きつっていないか、目が笑っていないのではないかについては、要チェックですが)。

 役職の上がり方と精神的ストレスのかかり方は、これはもう、間違いなく正比例しており、しかも役職が上がれば上がる程、重責を担えば担う程、逓増的、累進的、乗数的にストレス負荷のかかり方は増大していきます。

 そう考えれば、何を好き好んで昇進しようとするのでしょうね(苦笑)。しかし、やはりそれに代えられないやりがいやチャレンジ、事業や経営を成し遂げた際に得られる達成感、ドーパミンが出まくる瞬間瞬間がある訳ですけれどもね。

 ではなぜ社長になる人は、次から次へと襲いかかってくるストレス攻撃に対して平気でやっていられるのでしょうか。それには「ものの捉え方」の違いがあるのです。今回は、皆さんにも実践できる<ストレスフルな出来事の中和方法>を伝授しましょう。

 「競合コンペで負けた」をあなたはどう思う?

 私たちは、例えば、「競合コンペで負けた」→「失注してしまった…失敗だ」と考え、落ち込むでしょう。しかし、人によっては、「競合コンペで負けた」→「そうか、残念だけど、なぜ負けたかを分析して次のコンペに活かそう」とか、「競合コンペで負けた」→「考えに合わないクライアントだったのだな。であればお取引すべきでなかったのだろうから、負けてよかった」と考える人もいます。この差は、どこからくるのでしょう?

 これを説明してくれる心理学理論に「ABC理論」があります。「ABC理論」はアルバート・エリスが1955年に提唱した「論理療法」の中心概念です。出来事(Activating event)、信念(Belief)、結果(Consequence)からなる認知に焦点をあてた考え方で、人の行動を、ある出来事(A)に対して、こういう結果(C)が発生している。それは、その出来事に対する信念(B)を持っているからである、という捉え方をしてみる見方です。

 要するに、まったく同じ場所で同じ経験をしても、人それぞれで異なった受け取り方や感じ方をしているため、ある人は喜び、ある人は悲しむといった違いが生まれるのです。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus