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【野口裕之の軍事情勢】北朝鮮に残された戦法は「核口撃」だけ?   (6/6ページ)

2016.3.14 06:00

  • 北朝鮮・首都平壌市、韓国・首都ソウル

 特殊・非対称戦も視野

 他に、小型艦艇や潜航艇で、米韓両海軍の大型艦をミサイルや魚雷で狙ったり、生物・化学兵器を使ったり、非対称戦も視野に入れる必要が有る。

 特殊・非対称作戦と並び、米韓軍が警戒するのが多連装ロケット砲や自走砲といった長射程火力。DMZ付近に1万門・基が集中配備され、一斉に撃ち込まれれば被害は甚大だ。1994年の南北会談で北朝鮮代表が「ソウルを火の海にしてやるっ!」と言ったが脅しではない。40キロ先のソウルは無論、200キロ飛ぶロケットは、軍の重要機能が集まる大田(テジョン)に達する。米韓軍は長射程火力を先制壊滅するか、精密誘導兵器による10分以内の反撃で被弾を2/3にまで押さえ込む作戦を成功させねばならぬ。長射程火力が坑道に配置されていれば、作戦難度は高く成る。

 裏返せば、特殊・非対称作戦や長射程火力で攪乱・破壊が効果を上げなければ、主力は韓国側に打って出て行けない。

 否。もう一つ北朝鮮の勝機を忘れていた。北朝鮮軍決死の猛攻を前に、パニックに陥った韓国軍が朝鮮戦争で見せた大潰走の醜態が、小欄の脳裏をどうしてもかすめる。米軍にとり最大の“難敵”は韓国軍…(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS

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