米海軍が「西太平洋」に帰ってきた-。南シナ海で実効支配を強める中国や核実験を行う北朝鮮に対応するため、米国は横須賀を母港とする「ロナルド・レーガン」に加え、3月に「ジョン・C・ステニス」を西太平洋(東アジア)に派遣した。米国の軍事力を象徴する原子力空母2隻が、同地域に展開するのは極めて異例だ。中国が極度に警戒する米原子力空母には「1国の軍事力に匹敵する」とも言われる力があり、南シナ海などで岩礁埋め立てと軍事基地化を進める中国に対し強い圧力となる。(岡田敏彦)
浮かぶ軍事基地
「これまで見たことの無いほど多くの中国海軍軍艦が、我々の周りに集まっている」。3月4日、南シナ海に展開中のジョン・C・ステニスのグレッグ・ハフマン艦長の言葉がツイッターで公開された。
中国をこれほど警戒させるのは、米国の原子力空母1隻で、世界の中小国を上回るほどの実力を有しているからだ。
全長は約330メートルと戦艦大和(263メートル)を凌ぐ。飛行甲板の幅は約77メートルで、面積は1万8千平方メートル。東京ドームのグラウンド部分(1万3千平方メートル)の1・4倍の広さだ。