冬の京野菜は、これからが旬。聖護院ダイコン、聖護院カブラ、ミズナ、壬生菜、エビイモ、金時ニンジン、九条ネギ、鷹峯ネギ、堀川ゴボウと、主役級が続々と登場する。
「聖護院ダイコンとアナゴの炊き合わせ」は、厚めに皮をむき、コンブとカツオの合わせだしでじっくり炊いた聖護院ダイコンと、酒・みりん・しょうゆで煮たアナゴのうま味をシンプルに味わう料理。
「会席の最初から最後まで剛速球やったら、お客さまも疲れはるし、食べた記憶は残っても、何を食べたかの印象は残らへん。『これが出る時季になったんや』と、シンプルに京都を感じていただくのが理想。エビイモも、太くて中にあんのたっぷり入った鷹峯ネギも、ええ献立になります」
春夏秋冬わらび餅
そして、清和荘の客が最後に必ず求めるのが、自家製の甘味として人気の「わらび餅」。黒糖とニッキを練り込んだもので、その味のインパクトに負けないよう、きな粉も深煎りの特注品。昼のお弁当にも、必ず付く。「わらび餅は夏のもんですけど、春夏秋冬これを出さへんかったら、お客さまから叱られるんです」と苦笑する。