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旬の野菜と禅の心を味わう 銀杏庵 (1/4ページ)

2015.11.9 16:00

豆腐とすり下ろしたゴボウなどを混ぜ合わせ、ノリにすりつけて油で揚げ、蒲焼き風のタレをつけた、もどき料理の真骨頂。見た目も味も、まさに「うなぎの蒲焼き」だ=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)

豆腐とすり下ろしたゴボウなどを混ぜ合わせ、ノリにすりつけて油で揚げ、蒲焼き風のタレをつけた、もどき料理の真骨頂。見た目も味も、まさに「うなぎの蒲焼き」だ=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)【拡大】

  • 一つ一つ味付けの違う旬の野菜とクリ、ギンナンなど一口サイズの16種の料理を盛り付けたオードブル「笋羹(しゅんかん)」=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • 焼きマツタケにインゲン豆とズイキのゴマ和えとヒラタケとクロカワタケのみぞれ和えを添えた秋の「焼き物」(写真の料理は笋羹(しゅんかん、3人前)」以外全て4人前)=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • 菓子も家永澄子さんの手作り。秋はクリの渋皮煮をきんとんにし、ケシの実をつけて、見た目もクリに=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • 豆腐にシイタケ、黒豆などを合わせて香ばしく揚げた「ひりょうす」。中に入れる具は季節によって変える=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • 熟したイチジクに、レモン風味のだしをかけて。爽やかな甘酸っぱさが口の中に広がる=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • 姉妹で店を切り盛りする女将(おかみ)で妹の家永澄子さん(右)と、姉の黒田東暉子(ときこ)さん=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • 茶室の壁を打ち抜き、ガラスを入れて庭を望めるようにした四畳半の客室。時のたつのを忘れる=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)
  • わびた風情にほっと、心が和む店構え=2015年10月16日、京都府宇治市(志儀駒貴撮影)

 【京都うまいものめぐり】

 京都駅からJR奈良線で約25分、宇治市にある「黄檗(おうばく)」駅から東へ数分歩くと、異国情緒あふれる黄檗宗大本山萬福寺の朱塗りの総門が見えてくる。その門の内、塔頭寺院「天真院」の境内に「銀杏(いちょう)庵」はある。天真院の娘として生まれた姉妹が1973(昭和48)年、黄檗宗の僧であった父に学んだ中国式の精進料理「普茶(ふちゃ)料理」を供する店として開いた。旬を大切に、工夫が凝らされた野菜づくしの献立は、遠来のベジタリアンをも魅了する。

 「これが最初にお出しする『笋羹(しゅんかん)』です。味付けをした16種の野菜料理のオードブルになります」

 ひと抱えもある大皿を前にそう話すのは、姉で接客担当の黒田東暉子(ときこ)さん(72)。皿の上には、鮮やかなピンク色が目をひくミョウガずしや、ひすい色のトウガンの含め煮、菊の花をかたどったユリネなどとクリの渋皮煮、ユズ釜などが季節の彩りを競う。

中国僧が伝えた精進料理

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