【京都うまいものめぐり】
文政年間創業の老舗油店、山中油店がプロデュースする町家カフェ「綾綺殿(りょうきでん)」。平安時代、天皇の居所であった内裏のなかに、舞いや宴が行われていた殿舎「綾綺殿」がこの地にあったことから名付けられた。由緒正しい地に建てられたカフェは、油店らしく、こだわりの油を使ったメニューが豊富に並び、レトロな雰囲気の中で味わうことができる。
二条城から少し離れ、観光地からは若干離れてはいるものの、築100年の町家を活用したカフェ「綾綺殿」は、長らく米穀店だった町家を日本古来の建築方法にこだわって改修したとあって、昨今はやりの町家風カフェとは趣を異にし、どこか懐かしく、時が止まったかのようなレトロな雰囲気に浸ることができる。
洋食にも「らしさ」
「町家保存という意義もありますが、地元の人がほっこりできるような場所を提供したいと、10年前にカフェをオープンしました」と店長の矢野憲司さん。オープン当初はサンドイッチなどの軽食がメーンだったというが「油店らしく、油を使った料理を提供しようとご飯ものに力を入れました。油なら揚げ物でしょう」というわけで、今では一番人気が「とんかつ&エビフライ定食」だとか。