【京都うまいものめぐり】
紅葉の名所、高台寺の近くに位置する京料理旅館「よ志のや」。そのパンフレットに「はんなりと四季を愉(たの)しむ」とある通り、工夫を凝らした会席料理でこの地を訪れる旅人の舌も心も和ませてくれる。気軽に立ち寄ることのできるレストランのほか、旅館の客室も個室として開放され、落ち着いた和空間の中で味わう京料理は「ミシュランガイド」でも紹介されている。
会席料理の先付として登場するのは「嶺岡(みねおか)豆腐田楽」。牛乳と葛(くず)を練ってつくられた嶺岡豆腐にみそがかけられた一品だが、このみそが凝っている。
イタリア産のホールトマト(丸ごと水煮にしたトマト)を鍋で煮詰め白みそと砂糖、みりんを混ぜて練り合わせた。
一口サイズの豆腐を口にすると、普通の豆腐に比べてやや濃厚だがトマトの酸味が残るみそが絡まりさっぱりとした味わいだ。