【京都うまいものめぐり】
京の食材をふんだんにお皿に盛り込むことで定評のあるイタリアン「リストランテ・オルト」は京都の繁華街、烏丸御池にほど近い路地にあり、大人の隠れ家的たたずまいを見せる。真っ白な壁に大きなガラス扉。京町家の細長いウナギの寝床は坪庭がしつらえられ、気取らない雰囲気の中、本格的なイタリアンが堪能できる。オーナーシェフの谷村真司さんが作る料理の一皿一皿は繊細で、テーブルを彩るアート作品のようだ。
店名の「オルト」はイタリア語で「菜園」のこと。種をまき、芽が出、花が咲き、野菜が実る。季節ごとに表情を変え、四季の変化を料理で感じられたら、との思いを込めた。
引き算から生まれる料理
「イタリアンというとオリーブオイルたっぷりのイメージがありますが、うちの料理は引き算から生まれます」と谷村さん。実際、塩分やオイルを控える代わりに野菜でソースを作り、スパイスを使ってアクセントをつけるので「皿数は多いですが、次の日の胃の軽さに驚きますよ」と胸を張る。