【京都うまいものめぐり】
京都・東山にある日本料理店「佳肴(かこう) 岡もと」。観光地やにぎやかな中心地から少し外れた閑静な住宅地に店を構える。店主の岡本良太さんは「京都吉兆」をはじめ、新進の「上賀茂 御料理 秋山」などで修業した後、2013年にこのお店をオープンした実力派。ライブ感覚を重視したオープンキッチンなど顧客目線の工夫が受け、わずか2年でミシュランの一つ星に2度選ばれた注目店だ。
屋号が染め抜かれたサラシののれんをくぐり、格子戸越しに外を眺めながら数歩進むと、厨房(ちゅうぼう)を囲むL字型のカウンターが目に飛び込んで来る。席は7席。店内には無駄がなく、凛としたたたずまいを見せる。
顧客目線のオープンキッチン
「もともと一人で厨房を切り盛りするつもりだったので、料理をお待たせする間、お客さまを飽きさせないようオープンキッチンにしました」と岡本さん。
厨房とカウンターの高さをほぼ等しくし、包丁の操り方や煮炊きする動作を顧客に見せることで待ち時間が苦にならないようにしたといい、ライブ感を盛り上げるため、厨房のどの場所に立っても岡本さんにスポットライトが当たるよう照明も工夫した。