重箱の蓋を開けると、彩りよく盛られた野菜の数々。わさび菜、水菜、四角豆、紫玉ねぎ、ひら茸、子かぶら、にんじん(3種類)、たんくろう(黒枝豆)の8種類。野菜の味が濃い! 紫玉ねぎは約3時間オーブンでじっくり焼くことで、甘みがいっそう増す。手間ひまかけた丁寧な仕事が、一つ一つの野菜の味を引き出している。「“引き算”の調理を心がけています」と吉岡さんは言う。
アラカルトも豊富だ。紫キャベツの色が鮮やかな「蒸し鶏とシュークルト」は、ツンとした酸っぱさがなくやさしい味だ。「京料理によく合う『千鳥酢(ちどりす)』を使っています。角が立たず、まろやかでしょう」と吉岡さん。「山椒(さんしょう)のテリーヌ」は実山椒がぴりっと利いた一品。
パスタがきれいなピンク色に染まった「紫キャベツでジェノベーゼ」も面白い。バジルの代わりにほろ苦い紫キャベツを使用したソースで、オレンジやミントがいいアクセントになっている。