日米など環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加12カ国による首席交渉官会合が26日午後(日本時間27日未明)、米ジョージア州アトランタで始まった。日本の鶴岡公二(こうじ)首席交渉官は開幕直前に記者団の取材に応じ、「各国が政治的な意思を示せば、TPPのとりまとめは十分可能なところまできている」と述べ、30日から2日間の日程で開かれる閣僚会合での大筋合意に向けた各国の歩み寄りに期待を示した。
首席交渉官会合では知的財産や原産地規則などの協議が焦点だ。これらの分野で、前回7月末の米ハワイ州での閣僚会合で解決できなかった問題について集中的に協議。同時に2国間での関税協議も行い、閣僚会合への地ならしを進める。
ただ、知的財産と原産地規則をめぐっては各国間の溝が深い。知的財産では、新薬データの保護期間をめぐり、巨大製薬会社を抱える米国は、企業が開発コストを回収できるように12年の保護期間を要求。一方、早期に安価なジェネリック医薬品(後発薬)を普及させたいオーストラリアやニュージーランドは5年を求めており、対立が続いている。