環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の日米2国間協議で、自動車分野の合意に米国が違反した場合、日本は対抗措置として、TPPで引き下げた農産品の関税を再び引き上げる、と要求していることが29日(日本時間30日)分かった。同措置は「スナップバック」と呼ばれる紛争解決手続きで、日米協議の残された懸案の一つとなっている。両国は31日に予定される閣僚会合閉幕までの決着を目指す。
スナップバックは通商協定で相手国が合意通りに関税を下げなかったり、安全基準に関するルールを守らなかったりした場合などに、履行を促すため自国の関税を引き上げる仕組み。
米国は日本が自動車分野で新たな非関税障壁を設けた場合、米国がかける自動車の関税撤廃を延期する措置を提案している。すでに関税がゼロの場合は、税率を引き上げる。米国は関税撤廃による輸入急増を防ぐ手段としてスナップバックを重視しており、韓国との自由貿易協定(FTA)では導入済みだ。