≪閣僚会合 マレーシア・メキシコが壁≫
TPP交渉の閣僚会合の雲行きが怪しくなっている。今回で「最後の閣僚会合」(甘利明(あまり・あきら)TPP担当相)にするはずだったが、最も難航する知的財産は対立解消のめどが立っていない。交渉の新たなブレーキとしてマレーシアやメキシコも浮上した。会合は残り2日だが、その帰趨(きすう)はみえない。
29日の会合終了後、今回の会合で大筋合意に達するか、と記者団に問われた甘利氏は「あと2日間で間に合うかどうか、まだなんともいえない」と述べ、表情を曇らせた。
甘利氏は、会合前に比べて「厳しい感じを新たにした点もある」と説明。その上で、知的財産のうち新薬データの保護期間に関し、参加国間の主張に「まだかなり大きな隔たりがある」と打ち明けた。
新薬データの保護期間をめぐっては、有力な新薬メーカーを多数抱える米国が保護期間を12年にするよう求めてきた。一方、安価な後発薬の普及が必要な新興国やオーストラリア、ニュージーランドは5年以下とするよう主張した。