環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に向け追い風が吹いてきた。合意の前提とされる米国の大統領貿易促進権限(TPA)法案が23日までに、米上下両院の委員会で可決され、本会議での成立に向けて前進した。交渉参加12カ国の首席交渉官会合も同日、米ワシントン近郊で開幕。TPA法案の審議進展で、知的財産など難航分野の協議に弾みが付くことが期待される。
舞台は本会議に
米下院で通商政策を管轄する歳入委員会は23日、TPP交渉の合意に不可欠とされるTPA法案を、25対13の賛成多数で可決した。一方、米通商代表部のマイケル・フロマン代表(52)は23日、ワシントン市内での講演で、TPA法案審議の前進を踏まえ、農産物や自動車をめぐる日米協議に関し、「残った溝を埋める自信がある」と述べた。下院歳入委での審議では、共和党の全23議員と民主党の2議員が賛成した。
TPA法案は政府に通商交渉の権限を一任し、政府が合意内容を議会に諮る際、議会による修正を禁じる内容。上院では財政委員会が22日に法案を可決済みだ。TPP交渉では米議会が合意内容を覆すことへの懸念が阻害要因になっており、今後、法案審議は上下両院の本会議に舞台を移す。