維新の党の橋下(はしもと)徹最高顧問(大阪市長)は27日、国政政党の維新からの離党を表明した。引き続き地域政党「大阪維新の会」の代表として大阪府知事、大阪市長のダブル選(11月22日投開票)に独自候補を擁立する考えを示し、その対応に専念する。松井一郎顧問(大阪府知事)も離党を表明し、党の創設者2人が国政から身を引く事態に発展した。
橋下氏は大阪市役所で記者団に「国政政党から離れる。大阪に軸足を移す」と述べた。大阪選出の国会議員らに対しては、維新が参院に提出した安全保障関連法案への適切な対応と政界再編に取り組むことを求め、離党しないよう指示した。
松井氏は、山形市長選(9月13日投開票)で地元の意向に反して特定の候補予定者を応援した柿沢未途(かきざわ・みと)幹事長(44)の辞任を求め、大阪系の国会議員らも同調していた。だが、橋下氏は党の分裂を回避するため、松野頼久代表(54)が擁護する柿沢氏の幹事長続投を容認。「分裂が目的ではない。(大阪系の議員からは)一緒に離党するとの声もあったが、やめようと(伝えた)」と述べた。