集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法案は27日、参院本会議で審議入りした。安倍晋三首相(60)は「あらゆる事態を想定し切れ目のない備えを行うために法制は不可欠だ」と強調。「わかりやすく丁寧な説明を行うよう引き続き努力する」と語り、国民の理解促進に努める考えを示した。
首相は「北朝鮮は日本の大半を射程に入れる数百発の弾道ミサイルを配備し核開発をしている。東シナ海では中国公船が領海侵入を繰り返し、南シナ海では埋め立てや施設建設を一方的に強行している」と述べ、法案の前提である安全保障環境の変化を指摘した。
法案については「国際法上、完全に合法で正当性がある。憲法の制約のもと、諸外国と比べ極めて抑制的な内容だ」と強調。「国際社会にも丁寧に説明し、非常に多くの国から理解と支持を得ている」と述べた。
民主党などが「徴兵制復活」と連呼していることには「徴兵制は明確な憲法違反で導入はあり得ない」と重ねて否定。維新の党の対案について「(与党と維新が)一致点を見いだすべく努力を続けてもらいたい」と期待感を示した。中東・ホルムズ海峡の機雷掃海に関しては「特定の国が機雷を敷設すると想定しているわけではない」と述べた。