28日から参院平和安全法制特別委員会で本格的な審議が始まる。憲法の「60日ルール」により今国会での成立が確実な情勢は変わらないが、政府・与党は審議を通じて国民の理解を広げたい考えだ。
≪「独裁」野党のレッテル貼り過激化≫
参院で始まった安保関連法案の審議は、冒頭から与野党の対決色が鮮明になった。野党は「独裁」「クーデター」といった衆院審議より過激な「レッテル貼り」を展開し、安倍首相を攻めた。これに対し、自民党は法案への誤解を解こうと「攻撃的質疑」に戦略を転換し、「レッテルはがし」に力を入れた。
刺激的な表現を多用
参院本会議で野党勢のトップで質問に立ったのは民主党の北沢俊美(としみ)氏(77)だった。かつて自民党に所属し、民主党政権時代には防衛相も務めた北沢氏だが、この日は「憲法違反の法案、立憲主義を理解しない首相」と切り出すと、「国民も政府説明のまやかしに気づいた」と決めつけた。