集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法案は16日、衆院本会議で自民、公明両党と次世代の党の賛成多数で可決、参院に送付された。民主党など主要野党は採決時に退席した。法案の衆院通過により、参院が60日経過しても議決しない場合に衆院で再可決できる憲法59条の「60日ルール」が9月14日以降に適用可能となり、9月27日までの今国会での成立が確実となった。戦後日本の安全保障政策は大きな節目を迎えた。
安倍晋三首相(60)は法案の衆院通過を受け、「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。国民の命を守り、戦争を未然に防ぐために絶対に必要な法案だ」と強調。「議論の場は参院に移るが、『良識の府』ならではの深い議論を進めていきたい」と述べた。本会議終了後、官邸で記者団の質問に答えた。
本会議の討論では自公両党が賛成、民主、維新、共産各党が反対の立場で、それぞれ意見表明した。
自民党の松本純元官房副長官(65)は法案の必要性を訴えるとともに、15日の委員会採決で民主党議員らがプラカードを掲げ議事進行に抵抗したことについて「言論の府としてあるまじき行為で極めて遺憾だ。猛省を促したい」と述べた。