集団的自衛権の限定的な行使容認を含む安全保障関連法案は15日、衆院平和安全法制特別委員会で採決が行われ、与党の賛成多数で可決された。採決時に維新の党、共産党は退席。民主党は離席したが、浜田靖一(やすかず)委員長を取り囲んだうえ、議場内でプラカードを掲げるなどして議事進行に抵抗した。法案は16日の衆院本会議に上程され、与党などの賛成多数で可決、参院に送付される見通しだ。
可決を受け、安倍晋三首相は「国会審議はさらに続く。審議を含め、国民に丁寧に分かりやすく説明していきたい」と述べた。首相官邸で記者団に語った。採決に先立つ特別委の締めくくり総括質疑では「もはやどの国も一国のみで自国を守ることはできない。切れ目のない対応を可能とする法制が必要だ」と訴えた。「国民に十分な理解を得られていない」と認めたうえで、「批判に耳を傾けつつ、確固たる信念があれば政策を前に進めていく必要がある」と強調した。
野党は「強行採決は到底認められない」(民主党の長妻昭(あきら)代表代行)などと批判し、質疑継続の動議を提出。与党側はこれを否決し法案の採決に踏み切った。また、特別委は、維新が単独で提出した対案を賛成少数で否決。民主と維新が共同提案した領域警備法案は採決が見送られた。