戦後70年の首相談話に関する有識者会議「21世紀構想懇談会」の西室泰三(にしむろ・たいぞう)座長(79)=日本郵政社長=は6日、官邸で安倍晋三首相(60)に報告書を提出した。「和解」をキーワードに、戦後70年間で欧米やオーストラリア、東南アジアと和解できたとする一方、中国、韓国とは完全に達成できていないと指摘。談話に「謝罪」を盛り込む必要性には触れなかった。首相は報告書を踏まえ、14日に談話を閣議決定し、発表する方針だ。
「被害者側も寛容に」
首相は西室氏から報告書を受け取った後、「報告書を基に、先の大戦から何を学び、どのような道のりを進んでいくべきかということを、世界に向けて発信する談話を作成したい」と述べた。西室氏は報告書提出後の記者会見で「報告書が日本国民、特に若い世代にも広く読んでもらい、歴史への理解を深める資料となることを切に願っている」と語った。
報告書は全38ページ。(1)20世紀の教訓(2)戦後70年の日本の歩み(3)中国、韓国との和解-など、首相が示した論点に沿って構成した。