こうした党内の現状に対し、既に議員を引退した古賀誠(こが・まこと)元幹事長はいらだちを見せる。古賀氏は安保法案に異論を唱え、月刊誌で「多様な意見が党にあることを明らかにすべきだ」と「決起」を促した。自身に近い野田氏の担ぎ出しが念頭にあるとされる。
だが野田氏を取り巻く状況は厳しい。選挙戦になっても首相再選は確実と見る向きは多く、「対抗馬支援に回れば、総裁選後の人事で干される」(中堅)とのムードが漂う。中堅議員は「安保法案などをめぐる不満が党内にあるのに、首相批判は広がらない」と指摘。野田氏は5日、「日々の仕事をこなすので精いっぱい」と消極的な意向をにじませた。
一方、総裁選日程はいまだに固まっていない。「9月8日告示-20日投票」で調整を進めてきたが、「参院で審議中の安保法案が成立する前に実施するのは難しい」(幹部)との声が浮上したためだ。党関係者は告示日について「中旬にずらす案もある」と語った。