12日投開票の41道府県議選は、総定数に占める無投票当選の比率が過去最高の21.9%に達した。これまでも農村部を中心に無投票になる傾向はあったが、今回は神奈川で過去最高の無投票率となるなど都市部に波及し始めている。一方、投票率の低下傾向も強まるばかりで、有権者の地方選への関心の低さを浮き彫りにしており、今後に大きな課題を残した。
41道府県議選で無投票当選率が最も高かったのは香川で、定数41の65.9%に当たる27議席の当選が告示日に決まった。山形(45.5%)、宮崎(43.6%)が続き、神奈川は過去最高の18.1%。無投票当選がなかったのは大阪、山口の2府県だけだった。
過去に最も高かったのは1991年の21.8%で、前回の2011年は17.6%。地方選の無投票当選率の高さは、以前から指摘されてきた問題でもある。
政治学者の菅原琢氏は「無投票は昔から農村部で多かった。地方政界が一枚岩になっていて、対抗勢力が脆弱(ぜいじゃく)であるためだ」と指摘する。その上で「現在では、かつてよりも自治体と政界が『一枚岩的』だ。新人が立候補した場合に勝算がない地域が昔より増えている」との見方を示した。