ソースに老舗の玉露
メーンの肉料理は「イベリコ豚のロースト バスク風」を。肉汁あふれるイベリコ豚は、大徳寺納豆のソースとパウダーで。香ばしい匂いとほどよい塩気が肉のうま味を引き出している。玉ねぎとピーマンを煮込んだピペラードはフランスとスペインの両国にまたがったバスク地方の伝統料理だという。
一品一品ボリュームがあり、女性ならおなかいっぱい。しかし、デザートは別腹。チェリーとライチを使った夏らしい一品が供された。ソースに老舗茶舗「上林春松本店」の玉露“瑞玉”を使っているという。酸味と甘みのバランスが抜群で、お茶の風味も加わって絶妙のハーモニーを生み出す。あっという間に完食してしまった。
よい食材を随時提供
山本シェフは、大阪のフレンチの名店で9年間修業した後、「鮒鶴京都鴨川リゾート」のレストランを任された。「フランス人シェフの下で正統派フレンチをたたき込まれてきました。この店は観光客の方も多いので、基本はクラシックですが、アクセントとして京都らしさも出していきたいと思っています」。漬物やお茶などを随所に取り込んでいるのも、その思いからだという。食材にもこだわり、その日仕入れたよいものを随時メニューに取り入れる。