らしさ生かすアレンジ
色とりどりの「オードブルの盛り合わせ」が目の前に運ばれてくると、思わず感嘆の声がもれた。冷や麦とガスパチョのグラニテや白身魚の手まりずしなど、季節に合わせた6~7種類の料理が1つの皿に整然と並ぶ。「女性はいろんな料理を少しずつ召し上がるのがお好きですね」とシェフの山本博之さんがほほ笑む。正統派フレンチをベースに自分なりのアレンジを加えているという。
「焼き茄子(なす)とかぶらの冷製スープ」は、かぶらと玉ねぎのクリームスープに、焼き茄子のピューレを浮かべる。暑い季節にぴったりの冷製スープはスッとしたのどごし、すっきりとした甘みがさわやかな一品。焼き茄子のピューレで、味に変化が生まれる。
「鮎のコンフィ グルノーブルスタイル」は、初夏の鮎を約5時間かけて低温調理し、最後にこんがりと焼き目をつけるという。骨まで軟らかく、「頭から骨まで全部召し上がっていただけますよ」と山本シェフ。グレープフルーツとしば漬けがトッピングされ、ルッコラのピストソースが鮮やかだ。食感が楽しく、酸味がほどよく利いている。「グルノーブルソースは通常、焦がしバターにレモンやケイパーを使用するのですが、京都らしさも生かしたいとアレンジを加えました」