【大人の時間】
香りを聞く-。日本の伝統的な芸道である香道において香りは「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現する。「リスン京都」(京都市下京区)は、日本古来の言葉と、英語の「Listen(聞く)」の発音記号「lisn」(リスン)とを掛けて店名としたインセンス(香り)の専門ショップだ。火を付けて香りを楽しむスティック状のインセンスをメーンに、ホルダーやサシェ(匂い袋)などのアイテムも取りそろえている。
ガラス張りの店に入ると、やわらかな香りがふわりと漂う。波形の壁面やカウンターは香りが流れていくようなイメージを表している。
「ゆっくりと香りを選んでいただきたいという思いからスペースを十分に取っています」とショップマネージャーの松井香織さんが説明する。「リスン」のデザインコンセプトは「モノトナス」。“単調な”という意味を表しているという。「香りを存分に体感するための舞台である店舗も、まさにその言葉通りのデザインといえます」