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400年続く手拭い専門店 永楽屋 身近な存在 遊び心でアートに (4/4ページ)

2015.7.1 15:00

12.5メートルという長尺に3つの異なる柄を染め抜いた手拭い。着物の反物と同じ長さで仕立てた=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)

12.5メートルという長尺に3つの異なる柄を染め抜いた手拭い。着物の反物と同じ長さで仕立てた=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)【拡大】

  • 煩悩の数といわれる108にちなみ、108の表情の違うお茶目なだるまを染めた「煩悩ダルマ」。好きなところでカットして手拭いとして利用できる=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 毎月の京都の年中行事をテーマに明治から昭和初期にかけて作られた手拭いを復刻して、六曲一双のびょうぶに仕立てた=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 青もみじから色が変って紅葉するまでのもみじの色のグラデーションを描いた「春秋」=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 長い手拭いが掛け軸の絵から延びて、振り袖に化け、巻物の絵になり、やがて扇面となる手拭いの変身作品「メタモルフォーゼ」=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 十四世の好きな黒をモチーフにした漆黒手拭い「La’CRO“樂黒”」。黒地に串団子やバレリーナなどの柄が潜んでいる=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 斬新な発想やデザインで手拭いに新風を送り込んだ十四世永楽屋細辻伊兵衛さん。上着も黒に染めた上で縮み加工を施した手ぬぐいだ=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)

 そんな中、1999(平成11)年、婿養子だった現当主の十四世が社長に就任、ブランディングを一から見直し再建に着手した。十四世は、「タオルより手拭いの方がファッションとしても芸術としても使いやすい。タオルがメーンになってしまった家業を何とかもう一度手拭いを中心とした家業に変えようと思いました」と振り返る。

 倉庫に眠っていた明治から昭和初期に製造していた手拭いに着目し、その復刻を制作したのだ。版はすでに存在せず現物しか残っていなかったため、生地や染色、工程を見直し、今までにないアート感覚あふれた復刻手拭いを世に送り出した。復刻以外にも、新柄をはじめ、柔らかな風合いのガーゼ手拭いや、手拭い生地を使用したかばんなど、さまざまな展開を図った。

 そして今回、新たな手拭いの価値を見いだそうと手拭いをアートへと高める試みを行った。「現在は漬物や和菓子などさまざまな土産物があふれているが、手拭いは、京都のアートとしてもお土産としても昔から定番だった」という。さらに、「日本の歴史ある手拭いを海外に紹介したい」と目を輝かせた。

 スパイラルガーデンで開催された「てぬぐいアート展」の作品の一部が、7月7日(火)まで、京都高島屋1階のゆとりうむ特設会場などで展示されます。(田中幸美(さちみ)、写真も/SANKEI EXPRESS

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