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400年続く手拭い専門店 永楽屋 身近な存在 遊び心でアートに (3/4ページ)

2015.7.1 15:00

12.5メートルという長尺に3つの異なる柄を染め抜いた手拭い。着物の反物と同じ長さで仕立てた=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)

12.5メートルという長尺に3つの異なる柄を染め抜いた手拭い。着物の反物と同じ長さで仕立てた=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)【拡大】

  • 煩悩の数といわれる108にちなみ、108の表情の違うお茶目なだるまを染めた「煩悩ダルマ」。好きなところでカットして手拭いとして利用できる=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 毎月の京都の年中行事をテーマに明治から昭和初期にかけて作られた手拭いを復刻して、六曲一双のびょうぶに仕立てた=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 青もみじから色が変って紅葉するまでのもみじの色のグラデーションを描いた「春秋」=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 長い手拭いが掛け軸の絵から延びて、振り袖に化け、巻物の絵になり、やがて扇面となる手拭いの変身作品「メタモルフォーゼ」=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 十四世の好きな黒をモチーフにした漆黒手拭い「La’CRO“樂黒”」。黒地に串団子やバレリーナなどの柄が潜んでいる=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)
  • 斬新な発想やデザインで手拭いに新風を送り込んだ十四世永楽屋細辻伊兵衛さん。上着も黒に染めた上で縮み加工を施した手ぬぐいだ=2015年6月25日、東京・南青山のスパイラルガーデン(田中幸美撮影)

 正式な史料はないが、断片的な記述と口述を総合すると、創業以前は、織田信長の御用商人を務め、絹や麻を取り扱っていた。屋号の「永楽屋」の名は、通貨の中でも高品質で安定した「永楽通宝」を好んで旗印に使用していた信長から「永楽通宝のように良質のものを扱う店になれと拝領された」(十四世)という。

 時代が豊臣から徳川へと移り、日本でも綿が定着すると絹布商から木綿を扱う綿布商に業種転換し、京都の三条通に創業した。そして一世、細辻伊兵衛以降、伊兵衛を襲名するようになった。初代は忠臣蔵の大石内蔵助とも交流があったというから、幾度となく歴史の表舞台と関わってきたのだろう。

 手拭いは江戸時代には庶民の生活に欠かせないアイテムだった。当時の浮世絵などには、姉さん被りをした女性やいなせに肩に掛ける若い衆などが描かれる。明治ごろまでは商いの主軸は綿の着物用の反物だったが戦後、洋装化で綿の着物の需要が減り、商いも不調に陥った。その後、主軸を当時としては珍しかったタオルに変換したが、ライセンスブランドを持たなかったことなどから業績が悪化し、債務超過となった。

「タオルより手拭いの方がファッションとしても芸術としても使いやすい」

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