今年2015年は、琳派の始祖である本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が京都市の北部、鷹峯(たかがみね)に芸術家の活動拠点となる「光悦村」を開いて400年となることから、京都を中心にさまざまな記念イベントが行われている。書店には琳派を特集した書籍が山積され、琳派をテーマにした美術展もめじろ押しだ。
そんな中、ファッション界も琳派に注目する。豊かな装飾性やデザイン性を特徴とする琳派の様式は、日本が世界に誇る最高の美として高い評価を得ており、琳派をモチーフにした洋服や雑貨などが登場している。
デザイナーの桂由美さんは、2012年から日本の伝統工芸である友禅を素材にして、優雅な日本の美をデザインして発信してきたが、2015パリコレのテーマは「咲き誇る琳派」。友禅の表現を用いて描いたドレスなど23点を発表した。
琳派を象徴する画家の一人、尾形光琳の代表作の「燕子花(かきつばた)図」や鈴木其一(そいつ)の「朝顔図」などをモチーフにしたドレス。さらに、「京都もの創り作家の会」副理事長で、昇龍画家として知られる塩谷栄一さんがパリコレのために描き下ろした龍を大胆にあしらったロングドレスをはじめ、日本画家2氏が描いた平成の琳派をモチーフにした3点などを披露した。