桂さんは「友禅地に刺繍(ししゅう)を加えたものが多かったことや、帯地をドレスにしたり、打掛を見せたことで、日本の染の素晴らしさ、刺繍や織などの他にあまり類を見ない重厚さが功を奏したと考えています」とコメントした。
≪ドレスから雑貨まで あふれる世界観≫
琳派の遺伝子を受け継ぐとされる京都の壁画絵師、木村英輝さん(72)の作品をモチーフに洋服を作ったのは「コムサデモード」ブランドでおなじみの大手アパレルメーカー、ファイブフォックス(東京都渋谷区)。「アルチザン」「バジーレ28」など3ブランドで木村さんの作品とコラボレーションする。
一昨年、雑誌で目にした青蓮院門跡(京都市東山区)の襖絵「青の幻想」の蓮が「ずっと心に残っていた」というファイブフォックスの高瀬清子副社長(66)が、作者が木村さんであることを知り、コラボを持ちかけて実現した。「キーヤン(木村さんの愛称)の良さを取り入れながら、私たちが表現するとこうなるという琳派ができあがりました」と胸を張る。かたや木村さんも「まな板のコイになったつもりで口をはさまずお任せした方がいいものができる」といい、「ほんまかっこええのができた」と満足そうだった。