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作品と作家の声 そしてダンスミュージック 「DOMMUNE UNIVERSITY OF THE ARTS」 椹木野衣 (3/5ページ)

2014.10.27 11:00

堀浩哉「起源-naked_place-1」(2011年)

堀浩哉「起源-naked_place-1」(2011年)【拡大】

  • UKAWA_NAOHIRO「DJ_JOHN_CAGE_AND_THE_1000_WORLD_WIDE_DJS」(2014年)
  • 森山大道「『ラビリンス』より」(2012年、右)。蜷川実花「EVERLASTING_FLOWERS」(2005年、左奥)
  • 田名網敬一「Thousands_hands_of_buddha」(2008年)
  • 会田誠+21st_Century_Cardboard_Guild「MONUMENT_FOR_NOTHINGII」(2014年)
  • 椿昇氏(左)と茂木健一郎氏の対談収録。手前の撮影者は宇川直宏氏=2014年10月21日、東京都千代田区の複合文化施設「3331アーツ千代田」(原圭介撮影)
  • 複合文化施設「3331アーツ千代田」=東京都千代田区(野村成次撮影)

 ジョン・ケージに敬意

 もっとも違う点といえば、これまでは影の存在に徹してきた宇川が、ここでは自分自身による本格的な展示を披露していることだろう。もっとも、それとてドミューンと無縁ではない。宇川が開局以来配信してきた1000人のDJによる1000回分の記録を、映像と音と併せて1000のモニターで当時に流すのだ。ただし、1時間に1回ずつ4分33秒間のブレークが入り、すべての音は消え、光は明滅だけに切り替わる。これは、宇川が慕ってやまない20世紀を代表する現代音楽の作曲家、ジョン・ケージの代表作「4分33秒」にもとづく。4分33秒のあいだ、まったく演奏をしないことで大変な物議を醸した20世紀最大の問題作を、宇川はケージ自身を21世紀のDJに見立て、展示の中心に人形化して立たせることで、無音も含めすべてを許容するドミューンの原点として象徴化したのである。しかも、この無音の楽曲を展示に利用するため、宇川はわざわざJASRAC(日本音楽著作権協会)に申請を出して使用料を払ったという。まったくの無音というジョン・ケージのコンセプトを、きっちり音楽として認める試みでもあるのだ。

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