【アートクルーズ】
別府湾、伊予灘、周防灘(すおうなだ)に囲まれ、中央には火山群がそびえ立つ。放射状に伸びた谷が分断する6つの集落に分かれ、独自の文化が育まれてきた大分県の国東(くにさき)半島で、若者から支持を集める「チームラボ」(猪子(いのこ)寿之代表)の最新作「花と人、コントロールできないけれども、共に生きる- kunisaki peninsula」が公開されている。半島に咲く花々をモチーフにした体験参加型のインスタレーション作品だ。
「花と人-」は、今年初開催の「国東半島芸術祭」の出品作の一つ。芸術祭では半島北部に6つの展示エリアが設けられ、夕日の名所として知られる豊後高田市(ぶんごたかだし)の真玉海岸近くにあった旧縫製工場内にチームラボによる幻想的な空間が生み出された。
全長54メートルの暗闇に入った鑑賞者は、合わせ鏡になった通路を抜けて広間へと進む。そこではプロジェクターで壁面に投影された花々が宙を舞い、四方八方を埋め尽くす。一面に広がる花は、鑑賞者が一定の距離を保つことで増えていき、ある距離に入ると散っていく。約1時間で春夏秋冬が移り、約30~40種類の花が、さまざまに展開する。