夏に子供の外遊びで心配になるのは虫刺され。保育園などでは、虫を寄りつかなくする化学物質「ディート」を含む虫よけ剤を使わないようにしているところもある。園での薬剤使用に不安があるためだが、蚊が媒介する感染症対策などのため、場合に応じた「柔軟な使用」を勧める専門家もいる。(平沢裕子)
ハーブで手作り
東京都内に住む会社員女性は休日、保育園児の長女を公園などで遊ばせる際、長女に市販のディートを含む虫よけ剤を使う。蚊に刺されると、かきむしってしまうためだ。
だが、長女が通う保育園ではハーブを使った手作りの虫よけしか使わない。10カ所近く刺されて帰ってきたこともあり、園にディート入りの虫よけ剤を使えないのか尋ねたところ、「市販の薬は使えない」と言われた。女性は「昨年はかきむしったところに細菌が入ってしまった。感染症も心配なのに…」と話す。
ディートは米国で1946(昭和21)年に開発。蚊やブユ、ダニなど吸血性の虫などに高い効果を発揮する。国内では昭和37年から使われており、重篤な健康被害報告はない。