先祖は島原の乱で活躍
調査団は回答した人を訪れ、聞き取り調査も実施。その一人が、同市水口町下山の伴資男(ばん・すけお)さん(73)だった。自宅に古文書や巻物が残っており、忍者に関係あるかどうかわからないが、この機会に調べてもらおうと調査に応じたという。
古文書は、戦国時代の武士の子孫が幕府に仕官を求めた文書「甲賀古士(こし)由緒書」と、伴さんの家の家系図「伴嗣通(しつう)」の二つ。調査団の専門家が調べたところ、伴さんの先祖を含む10人の武士が島原の乱(1637~38年)に徳川幕府方として参加し、相手の城に潜入。偵察活動を行っていたことが読み取れたという。まさに忍者の存在が文献で確認されたわけだ。
伴さんは「親戚(しんせき)と忍者の話をしたこともなく、まさか先祖にいるとは思わなかった」とびっくり。ただ自身は、忍者のようなずば抜けた運動能力や、CIAに所属した経歴はないと笑った。
今回の調査では、自分が忍者の子孫だと回答した世帯が88世帯あり、調査団が「忍者の日」(2月22日)前日の21日に同市内で開催された「甲賀流忍者復活祭」で発表した。今後は回答のあった世帯のほか、古文書などゆかりの品を持つ世帯の調査をさらに進めていくという。