「忍者の里」で知られる滋賀県甲賀市が、甲賀流忍者の末(まつ)裔(えい)を探す「甲賀流忍者調査団 ニンジャファインダーズ」を1月に結成した。忍者といえば、伊賀(三重県)と並んで名前があがる甲賀だが、その存在や活動には、はっきりとした記録がない。謎に包まれた実態を今も“闇”に紛れて暮らす(?)子孫を通じ、明らかにしようという試みだ。甲賀市は忍者のPR動画を作成したり、職員が忍者装束で業務についたりと忍者によるまちおこしを進めており、海外でもブームの「NINJYA」をより広めることを目指す。(北野裕子)
「甲賀武士53家」の子孫はいずこ…
調査団は、甲賀市観光企画推進室や郷土史研究家などで構成。まず着手したのが、「甲賀武士53家」と同じ姓を持つ世帯へのアンケートだった。
同市歴史文化財課などによると、甲賀武士53家とは、近江国甲賀地域で中世から戦国時代にかけて活躍した有力な地侍(じざむらい)の集団。日頃は各地域の支配者として、農村を統治していた。
地侍と忍者-。一見つながりがないようにみえるが、実は甲賀流忍者とは、甲賀地域の農村にいた地侍にルーツがあるとされている。その地侍の集団が「甲賀武士53家」と見られている。