「『NK活性』を高めるには、声を出して笑うことが効果的。精神医学や心理学者の先生がよくおっしゃるのですが、ストレス解消には、ときどき頭を空っぽにするのがいいのです。笑っているときは、頭が真っ白で何も考えていない状態。以前、私はテレビで公開実験を行いましたが、年配の俳優を約30分笑わせてから『NK活性』を測定したところ、その数値は実験開始前の約10倍になっていました。頭を空っぽにするには、趣味に没頭するのもいいですね」と奥村氏は語る。
◆「不良長寿」のすすめ
そんな奥村氏は「不良長寿」という生き方を提唱している。「複数の生命保険会社による余命調査によれば、真面目な優等生タイプの典型と思われる、一部上場企業を部長職で定年退職した人が、退社後平均7、8年で亡くなっています。逆に、皆さんの周囲をみても、長生きをしているのは、どちらかというと『不良タイプ』が多いのではないでしょうか」と奥村氏。
1970年代から80年代の終わりにかけて、フィンランド政府は生活環境が似ている40~45歳の男性1200人を2グループに分け、一方には、年に2回は健康診断をさせ、お酒もたばこも制限し、生活リズムと健康状態を保つように指導した。
もう一方のグループには、お酒もたばこも食事も一切自由にさせた。そんな生活を5年間続けたあと、15年の観察期間を置いて調べたところ、前者のグループでは、亡くなった人が後者のグループよりはるかに多かったという結果が出たことが知られている。
「前者のグループは、健康管理のために縛られた生活をしたために精神的なストレスがたまり、体の免疫が弱まって早く亡くなってしまったと考えられます。お酒もたばこも基本的には量の問題で、とりすぎは体によくないですが、二日酔いしない程度のお酒や1日1箱以内のたばこは、ストレス解消などに効果があります」(奥村氏)