日本人の鬱病の生涯有病率は3~7%で、厚生労働省の「2011年 患者調査」によれば、1999年に40万人台だった鬱病などの気分障害の推計患者数は、2008年には104万1000人に増えている。11年の調査では、宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏、福島県を除いた人数で95万8000人だった。
鬱病で会社を休職したり退職せざるを得なくなれば、経済的な打撃を受け、本人だけでなく家族にも大きく影響する。それゆえ、早期発見と早期治療が大切なのだ。
◆1カ月以上休業、退職者1割
13年に厚生労働省が行った「労働安全衛生調査」(実態調査)によれば、過去1年間にメンタルヘルスの不調により、連続1カ月以上休業および退職した労働者がいる事業所の割合は10.0%で、前年調査より1.9ポイント上昇している。連続1カ月以上休業および退職した労働者は事業所の規模が大きいほど多く、情報通信業が28.5%と最多だった。
同調査によれば、このうち職場に復帰した労働者がいる事業所は51.1%。半数程度が復帰しているという回答が最も多く、1000人以上の事業所では47.2%、500~999人の事業所では27.1%。復帰した人がいない(休業中を含む)と答えた割合が最も多かったのは50~99人の事業所(49.2%)だった。
約9割の事業所が、メンタルヘルス問題が企業パフォーマンスに負の影響を与えると認識している(労働政策研究・研修機構「職場におけるメンタルヘルスケア対策に関する調査」結果)という。
こうしたなか、改正労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が12月1日から従業員数50人以上の事業所で義務化される。