ストレスに負けない心や体に 縛られない生活習慣が効果 (3/5ページ)

2015.11.26 05:00

精神的なストレスをためずに上手に発散することが長寿につながるという「不良長寿」を勧める順天堂大学医学部の奥村康特任教授

精神的なストレスをためずに上手に発散することが長寿につながるという「不良長寿」を勧める順天堂大学医学部の奥村康特任教授【拡大】

  • 現代社会のストレスにさらされているサラリーマン、OL(東京都千代田区)

 ストレスチェックとは、「最近1カ月のあなたの状態についてうかがいます。最もあてはまるものに○をつけてください」などのストレスに関する質問に従業員が答え、それを集計・分析し、本人のストレスがどのような状態にあるのかを調べる検査である。

 従業員数50人未満の事業所では当分の間、努力義務となるが、企業は常時雇用する従業員に対して、1年に1回、医師や保健師などが行うストレスチェックを実施。検査の結果、一定の要件に該当する労働者から申し出があった場合、医師による面接指導を実施する、面接指導の結果に基づいて医師の意見を聞き、必要な措置を講じる、などの義務を負うことになる。

 ◆笑いや趣味に没頭、頭空白に

 こうした職場の取り組みに加え、ビジネスマン個人がストレスといかに向き合うかも重要だ。免疫学の権威である順天堂大学医学部の奥村康特任教授は、リンパ球の2割を占め、がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃する「ナチュラルキラー(NK)細胞」にストレスが与える影響についてこう語る。

 「NK細胞が活発に動いている『NK活性』が高い状態では免疫力が高く、『NK活性』が強い人は風邪やインフルエンザ、がんなどの病気になりにくいことがわかっています。ところが『NK活性』は加齢とともに弱くなる傾向があり、精神・神経による影響も受けやすいのです」

 つまり、ストレスでNK細胞の活動が弱まり、体の免疫が低下すれば、風邪やインフルエンザ、がんをはじめとするさまざまな病気にかかりやすくなる。奥村氏によれば、ストレスには、たとえば上司に叱られたときに「なにくそ」と心の中で立ち向かう前向きなものと、「自分は駄目だ」と内向きになるパッシブ(受動的)なものの2種類がある。NK細胞はとくに後者のストレスに弱い。

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