◎レシピの起源は“ニューカナザワ”にあり!
5人の若者の中で、最初に独立した田中は、「洋食タナカ」を開店。その3年後、和食部門に携わっていた野村幸男も独立するのだが、彼が見つけた店舗は6坪と狭かった。複数のメニューを提供するのを諦め、カレー専門店「インデアンカレー」を立ち上げる。それが功を奏し、一時期は48店舗まで拡大する人気店となる。それを受けて田中もカレー専門店に転向。続いて、宮島幸雄が「キッチン ユキ」、今度 忠が「カレーの市民 アルバ」を創業。高田義教も「うどん亭 大黒屋」を継ぐ。そのどれもが「ニューカナザワ」のレシピを基に、独自のカレーを作ったのだ。
「5人はレシピを共有して、互いの店を盛り上げようとした。その思いが、今の金沢カレーブームにつながったのでしょうね」
創業当時の「洋食タナカ」の様子。“どろり濃厚ルー”にカツをのせたメニューを金沢で初めて提供した。
〈レストラン ニューカナザワ〉
後の金沢カレー店の創業者となる5人が勤めていた。ここで洋食部門のチーフだった田中吉和が作ったカレーのレシピが原点に。