【TREND WATCHING】
どろりとしたルーに、熱々のカツがのる“金沢カレー”。その豪快な見た目、コクと深みのある味は、5人の若者たちの出会いから始まった。
◎それは5人の運命の出会いから始まった
「この味や見た目が金沢特有のものと気づいていた人は、あまりいなかったんじゃないですかね。2000年代中頃に“金沢カレー”という言葉が登場して改めて『特別だったんだ!』と気づかされました」
そう笑うのは、「チャンピオンカレー」の南 恵太氏。
「今では全国に金沢カレーを謳う店が多くありますが、その源流は5つの店(次ページ参照)。これらの創業者たちが若い頃、『ニューカナザワ』というレストランで兄弟弟子の関係にあり、後にそのレシピを共有してカレー店を立ち上げたからです」
そのレシピを作ったのが、チャンピオンカレーの創業者・田中吉和氏だ。“日本洋食の草分け”と呼ばれる名店で修業した彼は、「ニューカナザワ」で、洋食部門の初代チーフに就任。そこで“どろり濃厚ルー”と呼ばれる金沢カレーの原点が提供される。
《金沢カレーの特徴》
当初、洋食店を営んでいた現・チャンピオンカレーの創業者が、人気のトンカツ定食とカレーを同じ皿に盛りつけたのが始まり。ボリューム感と客の回転率を考慮した結果、このカタチになった。
[ルー]粘度の高いルーが、ご飯全体を覆う。
[ステンレス皿]積み重ねられ、割れにくいという理由から採用。
[カツ]提供される際、あらかじめソースがかけられている。
[キャベツ]カツの横に千切りがこんもり。消化を助ける。
[カトラリー]フォーク、もしくは先割れスプーンを使用。