「住民の理解が必要。ルールの確立に向けて議論していきたい」。地域の発展を担う市長として、産業面、安全面の両方からドローンの活用を探っていく姿勢を示して、講演を締めくくった。
第2回国際ドローン展には、今後どのようにドローンを利活用していくか、といった視点からさまざまな展示が行われていた。「まごころサポート」という、新聞販売店のチャネルを使って、便利屋のようなサービスを請け負う仕組みを提供しているMIKAWAYA21(東京都港区)では、地域の販売店からドローンを使って宅配するサービスを提案していた。
今年2月には徳島県那賀町で、販売店から飛び立ったドローンが50メートルの高度で500メートルほど離れた場所に飛んでいき、5分でゆで卵2個と牛乳500ミリリットル、食パン1斤を届けて帰ってくる実証実験を行った。山間部などに暮らすお年寄りは、歩いて近所の店に行って買い物をするのは難しい。徒歩では往復で30分はかかる山道でも、ドローンなら高度差を気にせずに短い時間で届けてくれる。地域の過疎化や労働人口の減少などに対応し、高まるドローン宅配への期待を実現に向かわせる実験だった。
展示会にはほかに、NEC(東京都港区)がトンネルや橋梁などの壁面に向けて飛ばし、映像で見るだけでなく、表面を叩いてひび割れなどがないかを検査できるドローンを展示。パナソニック株式会社AVCネットワーク社(大阪府門真市)も、ドローンメーカーのプロドローン(名古屋市中区)と共同で、四角く囲われた中に4つのプロペラを搭載し、飛び上がっては壁面に張り付き、タイヤで転がりながら表面に破損がないかを撮影して調べるインフラ点検ソリューションシステムを提案していた。