このデモについて講演で振り返った熊谷市長は、「ドローンを使った宅配の実験は、すでに山間部や島嶼部では行われている。それは公益的な価値は高いが、都心部でできなればビジネスとしての広がりは難しい」と話して、オフィスや商業施設、住宅が建ち並ぶ幕張新都心で、ドローン宅配の実現性を見せられたことを評価した。
「EC(電子商取引)の需用が伸びて宅配のニーズは高まっている中で、労働人口の現象もあって輸送人員は足りていない。物流・宅配の部分で代替手段としてドローンの価値はある」と熊谷市長。「処方箋医薬品であるとか要指導医薬品といった、軽量だが緊急に必要性が高い薬品類を宅配するニーズがあるのでは」と話して、テレビ電話などを使って相談を受け、薬品を湾岸の拠点から居住場所まで宅配するサービスの可能性を示唆した。
「(幕張新都心の)若葉地区は、これから複数の超高層マンションが整備されていく。実証実験の結果を設計に取り入れていくことで、ドローン宅配に適したマンションや住宅を作ることができるのでは」とも話して、ドローンが物流インフラに組み入れられた都市の構想も示した熊谷市長。国家戦略特区として規制緩和の適用を受け、実証実験を重ねる一方で、モーターや電池といった関連企業も誘致して、「ドローン産業を千葉市に集積していける」と目論む。