京都市を訪れる外国人にとって長年、不満ナンバーワンといわれてきたのが、公衆無線LAN「WiFi(ワイファイ)」の環境がもの足りないこと。京都市は市の中心部に無料WiFiの整備を始めたのだが、この取り組みに思わぬところから「待った」がかかった。
「犯罪に悪用されかねない」という京都府警だ。セキュリティーが弱いWiFiを通じて、サイバー攻撃や違法なダウンロード、麻薬取引に利用された場合、容疑者の特定が難しくなり、「追跡捜査はほぼ不可能な状態」となるからだという。
京都市は、WiFi整備事業を観光客の“不満解消”の切り札と考えており、府警からの異例の注文にも当初、利便性を盾に推進の姿勢を見せていたが、徐々にトーンダウン。接続方法の見直しなどの対策を余儀なくされている。
簡略化で利用拡大
問題が指摘されているのは、京都市の無料WiFi接続サービス「KYOTO-WiFi」。平成24年8月から市バスのバス停などの公共施設で連続3時間使えるサービスを始めた。