スマートフォンで利用する「電子お薬手帳」アプリが進化してきた。スマホカメラで処方箋(せん)を撮影、薬局へ送り後で薬を受け取る「調剤予約機能」が浸透している。待ち時間を有効活用できるほか、利用薬局の選択肢も広がり、薬局への「患者の流れを変える」可能性も指摘されている。
電子お薬手帳アプリは、いつどのような薬を使ったかの履歴を端末などに正確に記録できるメリットが大きく、災害などで紙の手帳を紛失しても役立つとして各社がこぞって投入した。そのアプリに、調剤予約機能を持たせるのが最近のトレンドだ。
処方箋スマホ撮影 「待ち時間」ゼロに
昨年リリースされたパナソニックヘルスケアの「ヘルスケア手帳」。患者は病院で出される処方箋をアプリカメラで撮影する。画像を利用薬局に送信すると薬局側で準備を開始。用意が完了すれば患者は呼び出し通知をスマホで受け、当日でも後日でも自分の好きなタイミングで薬局に出向く。待合室での「待ち時間」はゼロになる理屈だ。
ヘルスケア手帳の場合で利用できるのは「そうごう薬局」など約600店舗。「待たなくていい」「自宅近くと職場近くの薬局のどちらでも薬を受け取れる」と好評だ。