肉厚でおいしい養殖アナゴ 近大がノウハウ提供、泉南市と地元漁協が挑戦 (1/3ページ)

2016.4.10 07:15

近大水産研究所の富山実験場から届いた養殖アナゴのかば焼き。市民らに好評だった

近大水産研究所の富山実験場から届いた養殖アナゴのかば焼き。市民らに好評だった【拡大】

  • 漁協に設置された養殖用の水槽。アナゴはパイプの中にいる=泉南市の岡田浦漁協

 大阪湾のアナゴ漁で知られる大阪府泉南市と地元の岡田浦漁協が、稚魚から成魚にするアナゴの養殖を始めた。同市のアナゴの漁獲量は府内で最も多いが、年々減少。世界初のクロマグロの完全養殖に成功した近畿大水産研究所がアナゴ養殖のノウハウを提供する。近大が養殖し成魚となったアナゴの試食会では、「肉厚でおいしい」と市民らの評判に。関係者は養殖アナゴを泉南市の新たなブランドに育てたいと意気込んでいる。(中井美樹)

 同市のアナゴの漁獲量は平成16年には140トンあったが、25年には8割減以上の25トンにまで減少。サイズも小ぶりになっているという。市などによると、原因として乱獲や、エサが減っていることなどが考えられるが、はっきりとはわかっていない。漁をしても採算が合わず、アナゴ漁をやめる漁師も少なくないという。

 こうした中、市の名物であるアナゴの生産高を増やそうと、市がプロジェクトを発案。近大水産研究所の協力を取り付けた。

同研究所はマグロ養殖で世界的な成果を出す一方で…

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