これまで近大が和歌山県内などでクロマグロの受精卵採取からふ化、稚魚までの育成を手掛けてツナドリーム五島に船で運んでいたが、中間育成のいけすへの輸送中に稚魚の半分しか生き残れないのがネックだった。
新しく設立した「種苗センター」には近大が研究者を派遣し、ふ化や稚魚の育成などのノウハウを伝授していく。近大の研究施設などの稚魚の生産能力は40万匹程度だったが、種苗センターの生産能力を31年度に30万匹に増強。5年後には近大マグロの稚魚の生産能力が計70万匹に上がる計画だ。中間育成中の生存率から試算して、幼魚としては10万匹強を出荷することを目指す。
世界進出について、豊田通商は「当面は国内で生魚にしたクロマグロを海外に出荷することを目指すが、将来的には生産拠点の海外展開も考えていきたい」と説明している。