日本のロウソク市場が伸び悩むわけ 「文化的な弱さ」を灯し出す? (2/3ページ)

 カメヤマは米国の大手・ヤンキーキャンドル社の日本代理店でもある。売り上げが韓国の半分でヤンキーキャンドル社からは「なぜ、人口が倍以上の市場で売り上げが半分なのか?」と問われる。

 ヤンキーキャンドル社はアロマタイプで市場をつくった。瓶の外側にムードを表現する大きなレベルが貼られ、主役は明かりではない。韓国ではアロマへの需要があるだけでなく、ロウソクを使う文化がある、というのが金指さんの見立てだ。

 しかし、そもそも「ロウソクを重視する文化」とは何だろうか。夜の時間が長い北欧諸国でロウソクに火を灯す現象だけを指すのではない。また日本にロウソクを心の癒しとして使いたいという人が少ないわけではない。

 火を見つめることが人の心を鎮めるのは、たき火であれ、暖炉であれ、ロウソクであれ、多くの人が経験していることだ。「1/fゆらぎ (エフぶんのいちゆらぎ)」と呼ばれるもので、「周波数パワーが周波数fに反比例するゆらぎ」(ウィキペディア)であり、ロウソクの火のゆらぎも該当する。

 米国バージニアキャンドル社のウッドウイック・シリーズは「木を燃やす音・香り」がついたロウソクだ。日本で人気があるのも、癒しへの希求の証だ。

 それでも「火は危ない」との一声に従ってしまう。

 言うまでもなく、「火は危ない」は火から目を離す隙をつくってしまう、人間の神経の緩さを暗に示している。したがってホテルやレストランに見られるように、ロウソクの明かりがLEDになっているものがある。管理負担を減らすためだ。

 即ち、ロウソクを重んじる文化とは「火に対する管理負担」と「目と心に優しい明かり」をバランスシートにのせ、後者を重んじる文化である。

いきわたり過ぎた「危険なものには蓋」の考え

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