ミラノの高校に通う息子の数学の成績が少々伸び悩み、ぼくがつきあいのある大学でエンジニアリングを教える先生に相談してみた。
どういう問題でどう点数がとれていないかを分析してみよう、と言ってくれ、先生のところに息子を連れて行った。過去、試験で点数が良くなかった問題をいくつか示すと、先生はその場で息子に回答を書くように指示した。
その結果、次のように言われた。
「頭の中で考えたことを全て、その通りにビジュアライズしてみなさい。ここの計算や条件は書かなくていいだろうと自分で勝手に省略するのではなく、それらすべてを書きだしなさい。それも大きな字で明解に。そうすれば、先生は採点の時に、このところまでは分かっていると判断してもっと点数を上乗せするはずだ」
これを聞いていて、ぼく自身も色々と考えることがあった。
数学のテストが最後の回答があっていることもさることながら、その回答に至る道筋が良ければそれなりの点数をくれることは知っていたが、そのための対策を息子にきちんとアドバイスしたことはなかった。正直に告白すれば、そこまで息子の勉強をみたことはなかったのだが・・・。
そしてぼく自身の仕事の仕方についても思いを馳せる。
欧州人のビジネスパートナーなどに対して、ぼくはそこまで徹底して自分の考え方を伝えてきただろうか、と。