テスラは米カリフォルニア州に工場を持ち、高級セダンの「モデルS」と12年から北米で発売しているXとを合わせた生産能力は、「2016年で8万台超から9万台の間を目指している」(ヴィレジェ社長)。
ただし、17年末に発売を予定する新型セダン「モデル3」(価格は約400万円)の予約を今春始めたところ、短期間に約37万台も入っている。このため、18年には生産能力を年50万台に引き上げていく計画だ。ちなみに、モデル3は「BMW3シリーズ」などが競合車となる。
限られた生産台数から、いかに「右ハンドル」を確保していくかは、日本市場攻略のポイントとなりそうだ。
もっとも、年50万台体制構築に向けて重要になるのが、心臓部品であるリチウムイオン電池の増産だ。現在はパナソニックとの合弁でネバダ州に電池工場を建設中で、年末までに稼働を始める。モデルS、同Xには、パナソニックグループの旧松下電池工業が開発した「18650(直径18ミリ、高さ65ミリの円筒形)」と呼ばれる汎用(はんよう)電池が、1台当たり約7000本も床下に搭載されているとされる。この2次電池は、正極にニッケル材を使用していて、高容量(電気をたくさんためられる)なのが特徴。